世界中のバラードについて/ballad
世界中のバラードが歌われなくなったら大変だわ。そう、きっと、誰もがアルファベットをちゃんと正確に発音できなくなって、苦笑いしながら恋を歌わなくちゃいけなくなるかもしれないから。くだらない男達は相変らずフロイトのバラード、マルクスのバラードなんていって、本を片手に真剣に語り合っているのよ。でも、そんなものは、バラードじゃなくて、粉々に砕け散ったハニーローストピーナッツよ。バラード、バラード、っていう小説を書こうとしたわ。それはもう、誰もがびっくりするようなかっこいい男の子がさえない女の子に恋するごくありきたりな話。でも、その小説の中に、これでもかっていうぐらいに、バラードをたくさんつめこむの。そし
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