セイタカアワダチソウ/M&M
 
日が陰った午後
高く伸びたセイタカアワダチソウが
風に吹かれて揺れている。

子供のころ、空き地で自分の背丈よりはるかに高い黄色いセイタカアワダチソウに
分け入って遊んでいた。あの頃の日差しと風が描く秋の午後は今も変わらない色彩で、
会社の窓から眺めている。

 結局言うべき言葉はなく、その時その時にそれなりにあったのだが・・・

あの頃俺たちは鼻水を服の袖で拭きながら忍者ごっこをしたり、銀色のおもちゃの拳銃で
拳銃ごっこしていた。拳銃の弾は買う金がなかったので草の堅い実をいれていた。
だから真直ぐにとばずに曲がったもんだ。

会社の近くに工事現場があるのだろう。何かを
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