手を握り秘めていたものを/ballad
 
がら呼吸しなくちゃいけなくなった。なにもかもがしっちゃかめっちゃかだけど、私は裂けたり乾燥したりで大忙し、どこからともなく、戦争が始まったわ。それも、大きな音もなく静かに、ケータイがまず通じなくなった。そして、悲鳴も聞こえなかった。きっと、皆即座に死んだんだわ。
 だから、私は何もせずに、裂かれた。
 この裂かれた体に、私は名前を与えた。ろくでもない名前よ。でも、とっても気に入ってるわ。スカートをはかない日がつらくならない程度にね。私は決して、誰かの名前を呼ばない。だって、誰の名前も知らないし、これからも知ろうと思わないから。貴方の名前が、私の血で裂かれ続けることを祈ってる。
戻る   Point(2)