十二月/花キリン
白い息で暖房機類を暖めながら
かじかんだ心の喧騒を
窓辺の温もりに預けた
化粧するものは
山から下りてくる途中なのだろう
風がよじれるような姿勢で
乾いた木々の観賞類を巻き上げていく
咳が二つ三つとして
寒さがのど元を通り過ぎていった
和むものを繕いながら
不安を一つずつ消してきたが
時間の中で生まれた多くの段差を
どこまで均すことができるのか
一年間のご褒美みたいなものを
銀紙に包み込んで
郵便受けに投げ込まれる瞬間を待っている
部屋中に温もりがじわりとまわってきて
かじかんだ喧騒が
チーズのようにとろけていく
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