Seasons/mortalis
 
 
人の世の脆き狂いぞ定律(さだめ)なら風に桜の散るもことわり


さ丹頬う葉こそ楓(もみじ)に栄(さかえ)あり 花はまさしく『慎み』という


緑なす野辺の川岸涼やかに水煌めきて晶(しょう)と紛える


空を駆り轟き渡る稲光 結び留めよ稲の穂並みは


秋静か書画の遠慮に夜ぞ更けて窓辺に薫る木犀の花


彩葉(もみじば)の玉簪や七竈 さ丹頬う色 火(ほ)にも負けまじ


月立ちぬ静(しず)が音(ね)真垣(まがき)木犀の香(か)に酔いてこそ花を知らるれ


はかなくもただ生きるなり秋桜(あきざくら)風を待つ如 落日を待て


氷褪めして窓は冷たく霜の色 冬も去らじな灯(ひ)も凍らんと


雪籠り雲九重に憂さ増して 慰(なぐさ)七草 数え数えす


 
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