エデンからの旅立/さすらいのまーつん
薔薇のように咲き誇る 若く美しい君よ
その目は 緑なすエデンを見つめてる
禁断の果実は 試してみたのかい
蔦の絡まる東屋に 集う若き神々は
ニシキ蛇の昔語りに 耳を傾けている
噴水の袂にとぐろを巻く 老いた策士
金貨の様な眼の上に走る 黒い切れ込み
その瞳孔の裂け目の 向こうにあるのは
堕落の甘い蜜を ひしゃくで配った思い出が
しまいこまれている 秘められた歴史の物置
この エデンでは
時がゆっくりと流れ 霧のように渦を巻き
日差しを受けた塵が 銀色に輝く
むせ返るような色彩が 花壇から吹きこぼれて
全ての影の嘆きに 報いている
白い馬が駆けてくるのを 君は見る
それは失われたはずの 約束の再来
誇らしげに揺れる たてがみ
蔵もつけずに またがって
かぐわしい野生が臭う耳元に
行き先をささやく君
神の掌の上に築かれた
世界が君を待っている
さあ行け いざ 堂々と
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