朴訥の王/mortalis
 
 

昼 我ら見守りし樹木達

宵 起立して我ぞ我ぞと立ち居並ぶ


昼 穏やかに放ちし心 陽(ひ)の光に交え

宵 彼らの意思となりて確固たらしむ


桜 冠を戴きて朴訥の王なり

 我 朴訥の王なり

 見上げよ 辞して平伏せ


 我 屠りしは大地の絆

 我 戴きし花 空に嫁(か)さむ

 古(いにしえ)に分かたれし大地の願い、空の呼び声

 応えて我ら天地結ばんと

 枝葉伸ばせど能わず

 父母引き裂きし憎き同胞(はらから)

 我 其の背に花 負わし

 空に嫁(か)さしむ

 大地の絆屠りし我が冠

 受けとられよ、父よ


 
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