引き際/花キリン
呼吸することは繊細な作業だ
ばらばらに生きてきた生を時間のはざ間で束ねた
思いは複雑なのだが
軽くなって心が少しだけ浮いた
小刻みに変化するものを五感で捉え
臓器の境界線に手のぬくもりを添えてみた
他人ではない不可思議なもの
自分の領域から切り離されていくものがある
考える時間がたっぷりあって
どのようにでも解釈できるのだが苦味がたくさんあって
引き寄せるようにして時が過ぎていく
もうここまでという線引きは隣に居座っている
引き際とは
蹲踞の姿勢で向かい合うものらしい
一つ教えられて沈思し思考の片隅に重ねられていく
呼吸するとは繊細な作業なのだ
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