太陽の国 /服部 剛
 
安っぽい微笑みは、もういらない。 

ほんとうは自然な笑みを浮かべる 
案山子(かかし)になって突っ立っていたいものだが 

この世には、隙を伺う者があり 
調子に乗ってる奴があり 
土足で踏み込む輩(やから)もあり 

たとえそれが本意でなくても 
般若(はんにゃ)の面を、被らねばならぬ 
木刀で周囲の邪気を、斬らねばならぬ 

全ての芥(ごみ)が火中に消え去れば 
般若の仮面を剥がした顔は 
白く輝く太陽になるだろう 

隣の人も仮面を剥がし 
その隣の人も剥がし 
太陽の顔はつらなるだろう 

そして頭上に昇るまことの太陽は、照らし出す 
手をつないで輪になる、僕等一人ひとりの素顔を 







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