雲の旅人 /
服部 剛
心に棘の刺さった時は
真綿のように包んで
黙って何処かへ流れゆく
雲の旅人になろう
あの空から地上を見れば
大きな荷物を背負った人も
小さい蟻に見えるだろう
あの空にぽっかり浮かぶ
雲になれたら
気の重かった昨日さえ
だんだん遠のいてゆく
まあたらしい明日の空へ
雲は吸い込まれてゆくだろう
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