【 雨粒 】/泡沫恋歌
 
降りつづく雨のせいで
部屋の空気が重く感じる
ポツリポツリと奏でる サティのピアノはけだるい
大きめのポットにダージリンティを入れて
ゆっくりと茶葉の広がる時を待つ

雨の匂いと紅茶の香りが混ざりあって
不思議なやすらぎを覚える
そんな雨の日の午後が好きだ

一粒の雨粒が水紋となって広かっていく

あの人から手紙がきた
それは家から少し離れたポストに入っている

まるで迷路のような複雑な記号で出来た
あなたの詩は いつも徒にわたしを悩ませる
『 僕はひどく優しいからとても罪深い 』
人の痛みを知ろうとしない 
あなたは一生優しい人のままで居られる

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