【 イヴ 】/
泡沫恋歌
わたしのナーヴァスをあなたは知らない
胸の奥に巣食う腫瘍から
躯中に毒が廻る
身悶えするような熱情が
不完全なわたしに火を放つ
赫い林檎を食べた日から
この身に孕んだ
情欲という炎の架刑
それが愛だと思っていた
それを愛だと信じていたのに……
女の肌に纏わりついたのは
一匹の毒蛇だった
それは淫らで美しい煩悩
誰のものにもならないわ
心を縛る鎖なんかいらない
― わたしはイヴ
「おんな」という女 ―
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