【 紅緋色 】/泡沫恋歌
沈みゆく夕陽の
叫びにも似た紅緋色
世界を燃やし尽くすように染めていく
心の渇望は際限なく
乾いた土が水を欲しがるように
あなたの言葉に耳を傾ける
わたしの葛藤は……
ざわめく言霊たちが交差する
未完成な箱庭の中にあって
小さな隙間には
希望が封じ込められている
あなたの差し出すパレットには
様々な色が塗り込まれていて
わたしの心に触れて
また新しい色に変わる
言霊はわたしの躯を廻り
群青の空へと解き放つ
紅緋色の胸『 愛の言霊 』を抱く巫女
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