教え込みの彼岸/
yuugao
降りてこない遮断機の前で
ひとり半目の
通せんぼ。
向こう岸の空気。
酸化しないと決めたはずの鉄が
怯えるかのように
急激に震えだす。
半目の背丈ほどある姿が
決まり事の便りを滲ませて
同調を迫ってくる。
内気なガラス細工が見せた
突然の鋭さは
はかないけれど
どこか安心な
生者のそれ
そのものに他ならなかった。
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