ブブンヤキソバ/たもつ
美味しい美味しいブブンヤキソバを君は作っている
キッチンは甲状腺のような白い匂いに包まれ
外の方はきっともっと広い世界が連綿と続き
幾多の人々が美味しい美味しいゼンブヤキソバを
美味しい美味しいと食べているのだろう
僕らはいつまでも部分であるということ
いつまでも全部にはなれないということ
それは硬く 甲殻類の甲羅のように硬く あるいは
裏の動物園に潜む優しい目をした凶暴なゴリラの頭蓋骨のように硬く
もしくは病院の待合室でいつまでも誰かを待ち続ける男の
足にできたウオノメのように硬く もっと硬く
でも もじゃもじゃ
白血球の中を吹き抜けていく風の強度な
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