一滴の水遊び/
……とある蛙
落下する精神の一滴
不毛の砂漠が拡がる
一滴の水はオアシスとなり得ず
砂礫の隙間から地下水脈に吸い込まれる
蒸発するのでは無い。
胡散霧散するのでは無い。
現実だと認識できない
有限な組み合わせの
宇宙の果ての
水遊び
アンバランスな砂浜、空と海
その隙間の渚という
メルヘンとは無縁の
水遊び
一滴の水は水銀飴(みずあめ)のように
鈍く重く銀色に輝く
輝きの凸面越しに見えるのは
自分の顔の虚像と
彼岸の風景
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