河童/……とある蛙
遠野の山道/峠の途中 一本の巨大な枝垂れ桜/
とおののやまみち とうげのとちゅう しだれやなぎにかっぱがぽつり
春先にその桜の根元/その下で春先に相撲を取る河童一匹/
はるさきいつもすもうがめあて みちをとおるこどもをみつけ
通学路を通る小学生は目を伏せたまま/尻を押さえて小走りに/
やれ!すもうをたらんとおおごえかける しりかかえてはしるこら
河童大音声で挑戦状/近頃の子供は誰も相撲等付き合わん/
しりこだまぬかれてたまるかと めせんをはずしはしりさる
河童の欲しがる尻子玉/早く納税しなければ/
かっぱは りゅうおう おそろしく はやくほしいぞ
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