夏の夕暮れ/……とある蛙
 
路地裏の縁台に腰掛け
はだけた胸元に
団扇で風を送り

茶請けに水羊羹
冷茶を一服口に含み
にんまり、

路地には打ち水がしてあり、
しおれかけた朝顔の鉢が
そこ ここ

遠く蝉の声が
しゃわしゃわと
夕暮れ 夏の香
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