幸いの虹 /服部 剛
自然の水はあふれんばかりに、今日も
泉に湧き、滝から落ち、川を流れ
人間(ひと)の哀しみさえも
自然に湧き出ずる水の如く
美しい涙の滴(しずく)は
君の瞳から、頬を伝うだろう
友よ、窓外をごらん
先ほど迄、世界を洗い流していた
激しい雨のシャワーが嘘のように
雲間からあたらしい太陽は顔を出して
本の頁(ページ)を捲るように
地上を覆う巨きな影は
日なたに生まれ変わってゆく
これから君は、きっと探しに往くだろう
この世界の何処かで今・姿を現し
旅人の訪れを待っている
あの幸いの虹を
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