冷透/魚屋スイソ
 
が、テクノめいた音楽になって頭の中で点滅する。水は透き通っている。すべてをさらけ出すふりをして、すべてを覆い隠している。おれは煙草に火をつけて、夜明けを待っていた。水平線にさわってみたい。おまえの肌みたいに、つめたく滑って、体温を奪ってくれるのだろうか。氷のように眠るおまえが好きだった。また、夢の話をきかせてくれ。

「冷蔵庫で眠るようになってから、皮膚が透けはじめました。色つきのソーダが、わたしを水時計にして、太陽の歯車をまわします。むらさき色に渦巻いて、鍵盤の上で踊るあなたの指に噛み付いたときの、電子音の味が好きでした。ディレイというエフェクターが好きでした。イコライザーをやりたい放題いじ
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