小詩集【すべてはとうに月でした】/千波 一也
 
のか
外だったのかと
訊かれると
わかりませんが

生憎、
こちらも
思案している途中でしたから

なにか、
思い出していたんじゃないでしょうか

そこらじゅう
水の匂いで
溢れていましたよ
いや、
今もですが

ええ、
間違いなく





七 糸はほつれる


はじめから
わかっていたこと

糸は
ほつれる

準備など
とうに整っていた

それでもなお
傷んでしまうのは
一筋縄にはいかない
飾りのせい

自由を知った
こころのせい

だからといって
責めないで

糸は
ほつれる

切り札も

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