遺書にはならない足跡/セグメント
 
下を電車が走る橋の上に立って死にたいと考え続けるくらいに、もう、あの家に住むことには限界が来ている。私の苦しみは家にある。そして、それがその他の不安や悲嘆を何倍にもして私から不要に引き出し、必要以上に私を責める。そんな気がしている。
 この騒音と言うのは早朝五時の洗濯機や踵から落とすような足音等、様々あり、それらは管理会社に三度、苦情を入れたことでかなり改善はされた。だが、未だ性行為の音が残っている。建物の構造自体にも問題があると分かり始めてはいる。だが、聞こえた時に扇風機を投げ付けてしまう程の心情、その神経で翌日に学校に行く心情と状況、日々の恐怖と警戒心にどのように対処すればいいのか、もう私に
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