遺書にはならない足跡/セグメント
る。私の精神的不安や通院している事実を知っても、支えたいと恋人は言ってくれる。
着る物も食べる物も家もある。身体的病気では喘息と、メニエール病の疑いを持ってはいるが、私はきっとほとんど健康で、恵まれているのだろう。安心して眠れる静かな家にやっと巡り会い、困った時に相談出来る友人と恋人がいるのだ。何を不安がることがあろう。
そもそも、人格交代のような現象が初めて起きた、八月二十六日か二十七日以前は、わりと安定していたのだ。騒音にまみれた以前の家からやっと離れることが出来、眠りたい時に静寂の中で安心して眠れるようになり、友人は変わらず私と接してくれ、恋人が出来た。順調だった。改めて思い返してみ
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