遺書にはならない足跡/セグメント
擦り減って行く神経の戻し方も保ち方も分からないまま、一日、一日が過ぎて行くことに悲嘆と焦燥を覚え続けている。このまま、この家に住む私のまま、私は引っ越しに向けて努力して行くことが出来るだろうか。友人を失わずに済むのだろうか。私は一人なのだろうか、それとも否か。答えの出ないことが、こんなにも恐ろしいものだと、私は本当には知らなかったように思う。私の、この薄暗い性質や、今のような環境がなかったならば、友人に迷惑を掛けることは、少なくともこの点においてはなかっただろうか。友人に、呆れられることが怖い。迷惑を掛けることが申し訳ない。負担になることが悲しい。謝っても謝り切れない。私は生きて行くことに不向きな
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