遺書にはならない足跡/セグメント
 
そんな都合の良い夢は起こるわけもない。誰も彼もがこの今の状況に向き合い、生きていかねばならないのだ。
 しかしながら批判を承知で言うが、私には生命の絶対的尊重というものや自殺が批難される理由が、少なくとも今は分からないので、今のこの状況に、国に、自分に向き合って生きていかねばならないと思っている人間のみがそうする必要があると捉えている。この現状に耐え切れず、死にたいと思う人間がいても最早、全く不思議ではない。食べ物が安全か分からない。飲み物が安全か分からない。雨に打たれても大丈夫か分からない。外を歩くだけで徐々に被曝している可能性が否めない。将来、今回のことが原因で白血病に罹って苦しんだ末に死ぬ
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