鏡の中にある如く/atsuchan69
 
かんて。

夕方。床屋へ行き、そのあとで駅前をウロウロ散歩してから「ちょっとビールでも飲もうかな」っていう感じで、打ち水のある路地をすこし入ったところのお好み焼き屋さんの麻暖簾をくぐった。席についてサングラスを外し、おしぼりで顔を拭きながら麒麟の中(ジョッキ)と、豚玉をたのんだ。ここは「お店の人が焼いてくれる」式の店だった。つい、焼けるまでにビールを飲み干しちゃって、おかわりをした。いくらかでも酔いがまわれば、使われている豚肉やキャベツが群馬産だろうが福島産だろうがもうどうだっていい。国立公園の山のどこかへ産廃業者が不法に捨てたセシウムよりもっとヤバイ化学薬品だの世界の海に眠る沈没した原子力潜
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