みち/Giton
.
ひとが歩けばみちは出来る
あてどなくさまようてもみちは出来る
みちと迷いみち見分けるすべもなく
どこへ誘いゆくのか迷い人のそま
.
みちがあるから人が往き来するのではなく
人が往き来するから足跡がみちになる
人に踏まれれば草木(くさき)は枯れて譲り
草木がみち塞げば人は引き返す
.
やがて日は暮れ遥かの尾根にひとすじの灯り
行き急ぐ旅人にこの声は届かなくとも
木間(このま)綴り行く光は迷うこと知らに
.
動くこと知らぬ木々はただ風にそよぎ
止(とど)まること知らぬ人は行く手に目を凝らす
木間綴り行く光は迷うこと知らに
.
戻る 編 削 Point(1)