きりん/salco
とうにきりんを愛する子供ではなく、至高の視座を余人に仮託する自分で
もない。今日はだるくて歩くのさえ困難なのは一睡もしていないからなのだ
ろうが、空がこんなに美しく雲があんなに柔らかく、まとわりつく暑気も道
端に退いたような過ごしやすさだというのに、鬱病に罹ったのではないかと
思うくらいに何をする気も起きない。私自身の業もまた救い難く深いのだ、
全く何もかも嫌になる。
日本の何を変えるわけでもない投票整理券など帰って破り捨てようと何度
か考えたが、それさえ業腹な気もし、背を屈めてちんたらと足を引きずり重
たいレジ袋を前かごに自転車を押してまわり道をし、自民党にはヘドが出
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)