雲のかなた/yo-yo
 
なにげなく空を見上げる。
なにげなく雲を眺める。
そんなに暇なのだろうか。そんなに退屈なのだろうか。なにか虚しい行為だと思う。

雲の虚しさは、少年期の虚しさにも通じている。
雲日記というものに挑戦したことがある。毎朝、雲を眺めて、そのときの雲の様子を絵日記にする。
たぶん夏休みの課題から選んだのだろう。雲に興味があったわけではない。いちばん簡単そうなのでやってみた。
だれも確たる雲の形を知らないだろうし、だから適当に描くことだってできると考えた。
あまりにも適当に描いたので、毎日かわりばえがせず、すぐに飽きて放棄してしまった。
それに、有るようで無いような、雲の実態の曖昧さが嫌
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