充電器 /
服部 剛
一日の仕事を終えて家に帰り
コンセントの穴から
線をつないで
充電器に、電話を置く
旅先の長崎で出逢った
お爺さんがくれたマリアのメダイを
両手に包み瞳を閉じて
僕はソファに、腰を下ろす
「この体という器に納まる
一つの青い魂を漲(みなぎ)る程に、充電せよ」
明日も誰かの連絡に
電話はぶるっと鳴るだろう
僕は天からの連絡を
受信するものになろう
戻る
編
削
Point
(1)