充電器 /服部 剛
 
一日の仕事を終えて家に帰り 
コンセントの穴から 
線をつないで 
充電器に、電話を置く 

旅先の長崎で出逢った 
お爺さんがくれたマリアのメダイを 
両手に包み瞳を閉じて 
僕はソファに、腰を下ろす 

「この体という器に納まる
 一つの青い魂を漲(みなぎ)る程に、充電せよ」 

明日も誰かの連絡に
電話はぶるっと鳴るだろう 

僕は天からの連絡を
受信するものになろう 







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