青空/
小川麻由美
木立ちを仰げば見える
無数の青空の断片
見捨てられたと思っていた
ずっとずっとそう思っていた
視界いっぱいの青空に
迷うことなく走り寄る
青空に抱擁される
感覚は取り戻されるだろう
昔の 今よりいくらかマシな私
青空は痛みを和らげる
手は届かないけれど
こんな身近にこんなにも
かけがえのないものがあっただなんて
私は幸せなのだと思いながらも
地球が引っ張る力に
耐える毎日を送っている
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