新しい体験 /服部 剛
再び僕等は、ヴェールが落ちるのを見る。
いつも目にする当たり前の風景達が囁き始める。
新しい星空が僕等をさし招き
魂は更なる旅路を、歩むだろう
世界は僕等のまわりで
新しいサークルの秩序をつくる。
そして童心になった僕等は
儚い調べの中に置かれる。
だが、今夜は遠い過去から
遥かな思いが煌(きらめ)きながら、やって来る。
星は落ち、新たに生まれ
空間が空虚になったことはついにない
魂は転んでも、また起き上がり
無限の中を呼吸する
一度は断ち切られた糸で一層美しく
これからの物語は織り成されるだろう
※この詩はヘッセの詩を異訳したものです。
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