白の海域/葉月二兎
しかしながらそれは既にイメージではなくその墓標とも言うべき徴=記号(signe)、
あるいはその破片(fragments)、断片=残余(remnant)である。
なぜならば、この咆哮=彷徨するもの―― [はうる、/あなたは/憶測の記憶であり/繁茂する水の/渇きでもあるから]
乾いた記号を
痛みだと誤認するのは、
いつも人で、
すなわちわたしだから、
わたしはわたしを
閉ざすことができない
円の中心に
たつのはいつも
水面の
ささめく波の
破片たち、
黙秘権、
を
行使
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