白の海域/葉月二兎
 

                               ―――ステファヌ・マラルメ

 「狂乱シタ孤独ナ羽根」、「存在するはずのない飾り羽をひたすら隠し続けていた」――
この一文が示すのは、隠すことの行為そのもの――であるが、これらの羽根(penna)とは、
文を、あるいは法を書き記す筆(pen)の不在を示している。だからこそ、

   横たわっているわたしは
   今まさにこうして
   わたしはゆるやかに死にました
   と
   書き記すことができる
   わたしたちは
   たくさん死にました
   わたしも
   わたしもわたしも
   わたしたちみ
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