白の海域/葉月二兎
―――ステファヌ・マラルメ
「狂乱シタ孤独ナ羽根」、「存在するはずのない飾り羽をひたすら隠し続けていた」――
この一文が示すのは、隠すことの行為そのもの――であるが、これらの羽根(penna)とは、
文を、あるいは法を書き記す筆(pen)の不在を示している。だからこそ、
横たわっているわたしは
今まさにこうして
わたしはゆるやかに死にました
と
書き記すことができる
わたしたちは
たくさん死にました
わたしも
わたしもわたしも
わたしたちみ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(9)