幸福な晩年/
みつべえ
「詩を読むのにも飽きて
ピヨピヨ湖のほとりで
釣りをしていた
おれが愛したのは
美しい風景ではなく
それを記述した言葉の美しさだった」
と かいたところで
小学生の息子が
将棋盤をもってやってきた
毎週しめきりの日に
詩をひとつデッチあげているのを
家族はみんな知っている
「もう おわった?」
「ああ いまちょうど」
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