ふたつの夜想曲/凛々椿
 
夏の日差し
夏の青
真っ白な街真っ白なふるさと
だれもいない街


あれから悲しみは痛みに変わりましたか?
痛みを知りましたか?
雪の記憶の声
いえ
ひとりぼっちでただひたすら歩く道は
今はずっと青い空の下にあり
まるで無音で
あの時とまるで変わらずなんにもないけれど
穏やかに悲しい目をしたあの人が
大丈夫
大丈夫だよと
香りを残してくれるので
まだ悲しいままです
ピアノが語る愛の夢は本当は愛の話じゃない
そう知りました




ざわりと 
嵐の後の夜は風が狂う
熱を帯びて


ほどなく世は落ち
あなたと同じ人たちがたくさん生まれました
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