心星/あおば
110720
トコロテンでごはん
辛抱おし
半時ぐらいは
保つでしょう
お母さまは
まだお帰りにはならないのです
白黒のテレビが片隅に置いてある
幼い眼に映る目玉汁の虚ろな揺らぎも
えふぶんのいちに従っているのか
遠くの鐘がじ〜んと鳴り
寝惚けた蝉もジッと鳴く
乾いた歩道を目で追うと
千鳥足の小父さんが
お稲荷さんの鳥居に凭れ
息を整え座り直し
帰宅前の儀式のように
袂からお土産の笹かまぼこを取り出し
左手にぶら下げる
やおら立ち上がり
数軒先の軒下に立ち
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