竿灯祭り/純太
七日目の夕暮れ
悲しみの中身は今だあなたへの切願なる想い
大切にしてきた海の滴が
少しづつ込み上げて重ねた後の唇を辿り
瞬きという時に忘失を委ねていた
いつも夕立が来たら虹を見る
その色は
情 響き 眩しさ 憧れ ためらい 決心 瞳
落花流水の色彩ゆえ
これらの心地いい輪廻を好んでは恋慕する
正直にすべて祈りでもあった
そしてあの日々もそうだった
一年前の七日目から
そんな感傷に浸り今年を迎え
今夏の鏡台にまた廻り戻った虹
淋しいです・・って
誰にでも言えるのに
震える言葉はあなたにしか綴れない
背中越しの向こうで
竿灯祭りの準備が聞こえる
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