シャボン玉/nick
トの白線
ランドセルに反射する太陽光を嫌う
投げかけてためらってばかにして
笑いあってびっくりして
ふくらんで冷めて星を見上げて
埃をかぶった本
ビー玉を転がすと
リズミカルに階段を落ちる
まま、ぱぱ、
ちーちゃん、もう自分のこと
ちーちゃんってよぶのやめる。
はずかしいから。
祖父が死んだ日
流した涙は一番多くて、一番きれいだった
そのことだけがわたしを安心させた
ちーちゃんは、もうどこにも居ないけれど
シャボン玉を追って
わたしは走りだす
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