谷川俊太郎/天野茂典
谷川俊太郎さんと酒を飲んだ
谷川さんが酒を飲むとは知らなかった
鶯谷ではない近くの酒場だった
朗読会か出版記念会のかえりだった
何度か同席したことはあったが
話しかけようにもあがって声がでなかった
ぼくはせっせと個人誌を送り
谷川さんは出版したての詩集を送ってくれた
5・6冊はあるだろう
谷川さんの詩は藁のようだと思っている
ぼくにとっては決して老いてはならないのだ
いつまでもわかくいてほしい
酒のせいで谷川さんにおもいきってお酌にいって
天野茂典ですがと名乗ったら
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)