ある燃料/榊 慧
ば、袋なんかに入って。
だから、しつこいように俺はすぐ打ち消す。だからだから、もっとしつこく肯定してくれて、それで俺はタンクの中でようやく耐えきれるものをつかむ。ふちだとか。手を掛けるものがやっと見つかり、それに手を掛ける気分に近付くのだ。やっと。
批判したいものは溢れていて否定したいものは溢れかえっていて、死ね、死ね、死ね、という気分になる聴覚過敏。あとは視覚、視界、とか。指摘してやってもそいつにとっての正論(と思っているもの)で返されるだけだろうからしない。お前、そうなんだろう。いや違くて、とかそういうのは、自己正当化だ。嫌いだ。
人を嫌いなんじゃない。
人の側面、内面、あ
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