はからい /服部 剛
 
君の出棺に間に合わなかった僕が 
斎場に辿り着き、参列者がまばらに帰り出した頃 
最近遠ざかりかけていた2人の友が残っていて 
互いの潤んだ瞳を見たら 
互いの鎖が何故か、解(ほど)けた 

死者は、すべてを知っている 
さりげなくも土産(みやげ)を置いて 
無言のままに、去ってゆく 
煙は空へ、消えてゆく 






     
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