wonder words /服部 剛
世間の冷たい風に押されて君は、目の前
の扉を開いた銀河の世界へ、逝ってしま
った。地上に遺された僕等は、舞台で詩(うた)
う君の輝きを心象のネガに灼きつけて、
冷たい風に抗いながらも、詩の旅路を続
けるだろう。
古(いにしえ)の詩人が今も僕等に語るように銀河
の渦を魂の器に吸いこんで目の前のドア
を開いた宇宙から吹いて来る風に全てを
ゆだねて、道に迷った夜にこそ、僕等の
旅を信じよう。この不可思議な世界で日
常の素朴な場面に潜む宇宙を見出そう。
「wonderwords」・・・僕等
が口をそろえて宇宙の銀河と交信する、
新しいキーワード・・・こころの声で、
「wonderwords」と唱える時
未来圏から吹く風に包まれた僕等は、遥
かなるあの駅まで続くひとすじの道を、
視るだろう。
僕は交差点に立ち止まり
君が旅立った日から
胸につけている炎の鳥の喪章に
今日も、手をあてる
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