現代ホラー映画 2011年 夏の10選/古月
鬼のインパクトが弱い! これに尽きるのではないだろうか。
この殺人鬼、無敵の怪物ではなくて普通の人間という設定なのだが、どうも中途半端な強さなんだよね。この中途半端さがね、なんか……うーん、弱いよりは確かにいいんだけど、なんかフラストレーションの溜まる程度の強さっていうか。タフネスだけ異常に高くて後は普通、みたいな感じか。なもんで「この絶体絶命の状況をどう生き残るか!」というスリルは薄い。むしろ「やれるよ! いまチャンスだよ! やれるよ! あ……あ、あ、あー! なぜやれなかった!」って思ってしまって、登場人物の焦りや恐怖にうまく感情移入できないんだわ。
でもまあ、最近は直球のスラッシャー映画っ
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