ざくろ/亜樹
たきの家には昔から、大きな柘榴の木があった。
たきなぞより、ずっと長く生きてきたのであろうその木は、もしかしたら、この家よりも古いのかもしれない。それほどの巨木であった。
その枝にたわわに柘榴の実がなっていた。
薄茶の皮がぱくりと裂け、中から赤い果実がのぞいている。
まるで、人の頭のようだとたきは思った。
人の頭が割れた様など見たことはないが、おそらくはこんなものに違いあるまい。
そう思うが否や、重さに耐え切れなくなった枝から、ぼとりと柘榴の実が落ちる。
地べたにたたきつけられたその実の醜悪さに、たきはその幾分か整った顔をしかめ、踵を返した。
ただ鼻腔には、そ
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