/rabbitfighter
 
僕が語ることのできる中で、もっとも美しい物語を君にあげよう

月が灯ると、夜が始まるよ
それから、
朝の始まりは、夢の終わり

朝と夜の間、
明るくて、暖かくて、
年老いた銀杏の大木は、光を食む
銀河で燃えている星の数を僕は知らないけど
君の体では、60億の細胞が燃えている

これは、最も美しい物語
深さについて、君が思うとき
君の中の迷宮が脈動する
深い色
深い音
深い闇
君の中に、迷宮がある
言葉よりも前に生まれた物語
君が生まれるよりも前に生まれた物語

僕が語ることのできる中で、最も美しい物語

君はまだ眠りの中で、街も静けさに満ち
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