眠り姫/salco
 

発見だ。

 こんな遺骸は存在しない。臨終直後、いや二時間前でもこんな生気は
あり得ない。この柔肌は血が通っている、輝く頬は上気さえしている。
そして目は……一体開いたらどんなであろう。短い眠りから覚め、長過
ぎた夢の余韻に惑いつつ私を見上げる明眸は、この瞼の膨らみと長い睫
毛が保証済だ。通った鼻筋と形の良い鼻腔、幼さの残る唇、愛らしい頤(おとがい)
に続く皺ひとつない頸。陶器のような胸の丘陵は、押し返して来るまん
丸な弾力を有し、小さなピンクの乳首にそっと歯を立てきつく吸うと甘
い呻き声が(略)、もう我慢できなかった。鶴嘴を掴むと彼女の足許へ
回り込み、能う限り慎重
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