いつもよりずっと一人ぼっち/中山 マキ
人差し指だけそっと僕にくれる約束
どちらにも向かない視線
彼方から明後日を探す方法
夢のない本当、夢がある嘘
一度だけ電話をする六日後
誰にも言えないことを誰にも言わずにする好奇心
あなたという人に会って
あなたという人を知るという行為は
僕をいつもよりずっと一人ぼっちにすることだと
あなたという人とさようならをした後に気付いた
よくある話
よく聞く話
なのにずっと一人ぼっち
つまり共感は上辺だけのおともだち
軒下の猫を追いかけるように
影も残さずに
どこへ行くのと聞けば雨のように
沁みずに微笑むだけで
あなたがいた場所に咲いたあじさいは
いつ
枯れたのだろう
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