長いおかわり/花形新次
がまた話し始めた。
「俺は旅に出るつもりだ。」
「旅ってどこに?」
「どこかは分からない。」ミョギーの顔は真剣だった。
「君なら、俺の気持ちを分かってくれるはずだ。」ミョギーの視線は僕に真っ直ぐ向いていた。
「分かるよ・・・。とてもよく・・・。モグモグモグ。」僕はヒジキの煮物を口に運びながら言った。
「でも、寂しくなるな・・・。君は僕の親友だからね。」僕がそう言うと、ミョギーは
感動した面持ちで、僕の手を握り、引っ張るようにして立ち上がると、テーブル越しに僕に抱きついてきた。
「君に逢えてよかった・・。本当によかっ・・・。」そのとき、僕の左の肩に乗せたミョギーの顔の方から、プーンと
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