長いおかわり/花形新次
、おもむろに「ぶり大根定食、ごはん大盛り。」と言った。
(季節はずれという意味では大差ないじゃないか。)僕は心の中で思った。
注文が終わると沈黙が続いた。僕は手持ち無沙汰で、お冷を7杯おかわりした。そして8杯目に口をつけようとした時、ミョギーが静かに語りだした。
「重要な話がある。」
「人間空母ノリちゃんの話かい?」僕は間髪いれずに答えた。
「えっ、な、なぜ分かった?」ミョギーは明らかに動揺していた。
「振られたんだってね。」僕がそう言うと、ミョギーはこめかみに血管を浮き上がらせ、上着の内ポケットからサバイバルナイフを取り出し、僕の喉元に突きつけた。
「あんまり、露骨なこと言うんじゃ
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